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このコンテンツでは、法人営業における「ヒアリング」の重要性と実践方法について解説しています。
初回面談から提案、受注・失注後のフォローまで、各フェーズでのヒアリングポイントや具体的な質問例を紹介し、競合他社と差別化するためのポイントを詳述しました。ヒアリングという作業自体は、顧客との信頼関係を醸成する大切な行為であるということを理解し、営業活動の成果を最大化させていきましょう。


ヒアリングの重要性について

成果を出す営業担当者と成果を出せない営業担当者の違いは何か?
私はその要因がヒアリング能力に関係すると考えています。では、ヒアリングが行われるシチュエーションはどんな時でしょうか。

・自社の紹介をする初回面談
・提案前のオリエンテーション
・提案時
・提案後、受注・失注が確定した後

また、インサイドセールスが案件化の見込みを確認する場面でも実施されることが一般的です。

法人営業におけるヒアリングが顧客理解や提案の成功につながる理由
「人は第一印象で9割決まる」という格言がありますが、法人営業でも、初回面談でマイナスの影響を与えた状態から受注に持ち込むのは非常に難しいと言えます。
ですので、初回の面談には最大限の準備をして臨みましょう。担当者は「初回の面談で今後の全てが決まる!」くらいの意気込みで臨んでください。

ヒアリングスキルが営業成功に及ぼす影響の具体例
ヒアリングがもたらす成果には、顧客の真のニーズを把握し、競合と差別化された提案ができることが挙げられます。
たとえば、顧客が特定の課題を解決するために求めている機能を直接聞き出すことで、無駄な説明を省き、顧客に響く具体的な提案に集中できます。
実際のケーススタディや、ヒアリングを通じて顧客の信頼を得た成功例を紹介すると、読み手の共感を得やすくなります。

初回面談時におけるヒアリング事項

初回面談の目的と心構え
初回面談は最も重要なビジネスフェーズです。この面談を通して、案件化した際に声がかかるかどうかが決まります。
担当者は会社の顔として、事前準備を怠らずに商談に挑みましょう。

準備すること
HPやプレスリリースの情報などは最低限の礼儀として確認しておきましょう。特に製品情報や会社情報を把握しておくことは重要です。
また、仮説として自社のサービスが相手企業にどのように役立つか整理しましょう。

初回面談時のヒアリングポイント(案件未確定の場合)
① ビジネス全体の理解:顧客の業界、現在のビジネスモデル、ターゲット市場
② 課題や困りごと:現在抱えているビジネス上の課題、サポートが必要な分野
③ 目標やビジョン:ビジネス目標、具体的な取り組み
④ 過去の取り組みや結果:過去のプロジェクトや成果、使用ツールの評価
⑤ 営業・マーケティング体制:現在の営業体制、使用しているツール
⑥ 競合環境:業界の主要競合、競合との違い
⑦ 意思決定のプロセス:社内の意思決定プロセス、重要な関係者
⑧ 顧客の期待や要望:面談で期待していること、解決したい課題
⑨ 次のステップ:次回面談やアクションプランの確認

仮説を立てたヒアリングとそのメリット
事前に顧客が抱えているであろう課題に対して仮説を立てておくことが重要です。
仮説を基にした質問をすることで、顧客は「自社のことをしっかりと理解してくれている」と感じ、信頼感が高まります。
仮説が間違っていた場合でも、それを修正する形で正しい情報を得ることができます。このプロセスが顧客の期待や要望に合った提案の土台になります。

オリエンテーションにおけるヒアリング事項

オリエンテーションの役割と重要性
オリエンテーションでは、チーム編成やスケジュール、プロジェクトのゴールなどを詳細に確認します。

① プロジェクトの目的、成功の定義:何を達成するのか
② 成果物の詳細:プロジェクトのアウトプット
③ スケジュール:提案スケジュール、成果物の納期
④ 予算やコスト管理:割り当てられている予算
⑤ 主要担当者と役割:各メンバーの担当
⑥ 顧客の組織構成:意思決定フロー
⑦ コミュニケーション方法:報告や確認の方法
⑧ 顧客の期待:重要なポイント
⑨ 競合情報:競合他社の情報

競合他社との差別化ポイントを探る
オリエンテーション時には、競合製品と比較した顧客の評価や、過去に他社と行ったプロジェクトの結果を聞くことで、自社サービスが提供できる価値を明確にできます。この情報をもとに、競合他社との差別化がより効果的に行えるようになります。

提案時におけるヒアリング事項

提案時には、提案内容が顧客の期待に合っているか確認します。

提案後の質疑応答で押さえておくべきポイント
① 提案内容の理解度の確認:顧客が提案内容を正しく理解しているか確認する
② 顧客の懸念点や疑問点の確認:コスト、納期、実行可能性について質問してもらう
③ 競合との比較:競合製品との違いや強みを確認
④ リスク要因の確認:リスクを軽減するための対策を説明
⑤ 価格や予算の確認:コストに関する質問を解決
⑥ 導入スケジュールの確認:顧客の期待とスケジュールが一致しているか確認
⑦ フォローアップの設定:提案後のスケジュールを具体的に設定
⑧ 提案が顧客の価値と一致しているか確認:提案の価値が顧客の目標に合致しているかフィードバックをもらう

ヒアリング内容の反映で顧客との信頼関係を構築
提案時の質疑応答では、単に提案内容を説明するだけでなく、過去のヒアリング内容を反映し、「顧客の声を聞き、それを大切にしている」というメッセージを伝えましょう。
顧客の課題や懸念事項に対して具体的な解決策を提示することで、顧客に寄り添った姿勢を示すことができます。

受注・失注後のヒアリング

受注・失注の理由は会社の資産ですので、必ず確認することが大切です。

受注時のヒアリング事項
① 決定の決め手となった要因
② 競合と比較して評価された点
③ 今後の期待や改善点

失注時のヒアリング事項
① 不足していた要素(価格、提案内容、サポートなど)
② 競合が選ばれた理由
③ 次回チャンスに向けた改善点

失注時のフィードバックを活用した改善のサイクル
特に失注時には、顧客は本音を隠し、オブラートない言い方で失注理由を話しますが、サービス改善のため、なるべく本音ベースで回答してもらえるように話をしておきましょう。
失注時のフィードバックは、営業担当者やチーム全体で共有し、次回の提案活動に活かしましょう。顧客がなぜ他社を選んだのかを具体的に把握することで、次回の提案時に同様の失敗を避けることができます。

終わりに

ヒアリングは営業の成功に直結する重要な作業です。初めは難しく感じるかもしれませんが、商談を重ねることでスムーズになります。事前準備を大切にし、顧客の信頼を得るために全力を尽くしてください。
失敗は成功の母です。失敗を恐れずに、創意工夫して改善していく過程を楽しんで、取り組んでいきましょう!


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